シール紙でAotumeDollの口を作る
「口の表情」は大事
口のメイクが消えてしまう事の対策として考えた
これは
「口のメイクが消えてしまった!」と「口の表情をコロコロ変えたい!」を
同時に解決する方法です。
鼻線も作れる
同じ方法で鼻の線も作る事ができます。
鼻については描いてもよいのですが、ライティングの演出によっては鼻線の位置に違和感が出るのでその対策方法として使います。
鼻の点ぐらいなら編集して消すか描くかした方が早いかもしれません。
上記の記事で鼻線のシールを作っています。シール用紙がなくても、今回の口作成と同じ方法でも作れます。
シール貼っても大丈夫か?
TPEにシールを貼るかは賛否ありますが、口の範囲程度であれば問題ありません。
一週間張り付けたままにしても、特別癒着してしまうなどの現象はありませんでした。
用途と良い点・悪い点
用途
この方法は、口のメイクが消えてしまっているのが前提のテクニックです。特に「○」のような小さな口のメイクは消えやすい傾向があると思います。
笑っている絵が欲しいだけなら、画像編集で描く方法もあります。
良い点
貼り付けた絵だとしても実際にそこに居るドールが笑ったり怒ったりしているのは、新鮮な印象を受けます。写真ではなく実物でしか味わえない感覚があるのでお勧めです。
光や影の影響を受け、髪が被っていてもおかしくならない。顔の向きに対応して正確な位置に口があるというのも利点です。
悪い点
ドール漫画のような画像編集が必用な場合、一回しか使わないもの、細かい口の変化を全て作るのは効率が悪いです。分かりやすく汎用性の高いものを作る事が重要です。
口の線より内側は作れますが、唇のテカリや口紅のような薄いものは綺麗に作れません。
粘着力は緩めにしているので顔のカーブに対していくらか隙間ができます。
材料
コピー用普通紙
100均の物でOK
はがせる両面テープ
シール用紙ではなく、はがせる両面テープを使う事で貼りものを作成します。
シール用紙でもできますが、普通紙に比べて光の反射があり肌になじみません。
道具
油性マジック
塗装後手につかなければなんでもOKです。今回はガンダムマーカーを使いました。
茶色系の色合わせにはマッキーを使いましたが、100均等で好みの色を1、2本探してきてもよいです。
PCとプリンター
口のデザインをPCで行う場合
はさみ
切断用
クリアファイル
100均のものや、下敷き等でも問題ありませんです。
作業手順
1.口をデザインする
PCで画像編集ソフトを使うか、用紙に直接描くかがありますが、今回はPCで行います。
考え方
人間の口の開き方は大体同じです。特殊なキャラ性がなければ舌の動きもありきたりで十分です。
基本的な考え方は、Live2Dのつくり方をまとめている記事が参考になります。
※下記のツイートはプロのLive2Dモデラーの方のものです。無断掲載OKで自由に使ってよいとの事で下書きに利用するのも良いかと思います。
まずは1、2点で十分。
・アニメキャラや代理店aotume写真の口を参考にする。
↑説明しづらいので一覧化しました。左上が大きな口、右下が無表情。問題があれば削除します。
アニメキャラについても、流行の顔を並べると、おおよそ似たような口であることがわかります。
・同じ開き方でも、キャラクタごとの特徴を考え、元気口、猫口、お嬢様口、おとなしめの口など調整をします。
歯のあるなし
なし=子供っぽさ、甘々しさ、かわいさが強調されます。
あり=大人っぽさ、力強さ、明瞭感を感じさせます。
コツの一つとして、自分のドール写真を背景に入れて、色合いやイメージが合うのか確認する方法があります。
線を自分で描くのが苦手な場合ゆがみツール等を使って整形していく方法もあります。
※写真はAffinityPhotoのゆがみツール
2.印刷、または紙に描く
色が付く口の中は印刷の方が楽ですが、閉じている口は直接描いた方が早いかもしれません。
サイズの調整も大事なので、拡大縮小したものをいくつか作っておきます。それでも合わない場合はA4かB5かで調整する手もあります。
3.張り付ける絵の裏に両面テープを貼る
大雑把でよいので、絵より大きく貼ります。
この両面テープが背面をインクから保護します
4.切り抜く
ハサミで、デザインに沿って切り抜いていきます。両面テープの厚みで厚紙のような強度がでます。
この時口の外側に白面が残ってもOKです。切り抜いた形が綺麗なことが大事です。
5.切り抜いた側面を油性マジックで塗装
両面テープで厚みと強度が出るので、側面を塗る事ができます。写真は撮影の為にスタンドで挟んでいますが、普通に指でつかんで作業します。
側面を濃く塗ることによって切断面の白さと浮きを隠しつつ、印象を整える事ができます。
側面だけでなく輪郭を少し塗ってもOKです。漫画的なハッキリした雰囲気なら黒、イラスト的な雰囲気なら茶色などの薄い色が良いと思います。好みの雰囲気を作りましょう。
シンプルな閉じ口は黒でも良いと思います。
塗りすぎて裏までインクが染みないように注意。少しであればシールの剥離紙が吸ってくれます。
6.裏の剥離用紙を剥がして完成
軽く折ると剥がしやすいです。爪でじっくり剥がしましょう。
完成です。
使用する
前から付けてた仮の笑い口。ちょっとデザインが雑だった。
これが
こうなります。
シンプルに口を張り替えただけですが、温和な雰囲気から、かなり生意気な空気感に変わりました。
日本と海外の感情表現の差というのがありますが、日本人は感情表現において目を、欧米の場合は口を重視する傾向があり、それが顔文字にも表れています。日本「^∀^」欧米「:D」
この方法で口の表情を効果的に変えられると、英語圏の方々にも好まれるのではないかと考えます。
黒線で書いた割には違和感は少ないと思います。口の周りは若干肉に盛り上がりがあり、陰影がつき暗くなるのですが、ライティングの仕方で違和感は減らせます。
ポートレートのような完成された一枚絵に使う場合は少し安っぽさがあるかもしれませんが、漫画的に感情表現したい場合には十分な効果があるでしょう。
保存する
作成した物はクリアファイルなどに張り付ける事で保存できます。
粘着力があまりに強い時は、そのままクリアファイルに貼ってしまうと剥がすのが難しく壊れる場合があります。一度手に貼るなどの方法で粘着力を弱めましょう。
粘着力が弱まった場合
最終手段としては水に濡らす事で粘着力が回復する事があります。
染みができてしまった場合は新しく作るか、気にしないかとなります。TPEの肌自体が若干の油粘着力があるるので、顔のカーブに合わせて曲げながら押しつければ、それなりにくっつきます。
終わりに
簡易的なものとは言え、笑う、怒る、口の形一つで受ける印象は強く変わります。
アイの自作に比べて簡単なので、口が消えてしまった際には挑戦してみてはいかがでしょうか。