レジン液とは?成分、硬化する仕組みについて
上記のアイ作成記事ではカボションと用紙を接着する為にレジン液を使用しています。
レジン液とはどのようなものなのでしょうか。
詳細については多くの記事が出回っています。ここでは自作アイ等に使用する上で、知っておいた方がよいレジンの成分や硬化の仕組みを調べまとめています。
レジンとは
レジン自体はresin = 樹脂です。ここでは天然樹脂ではなく合成樹脂の事を指していますが、実際の所日本で言う「プラスチック」の定義が曖昧なので、学問や工業用途ではプラスチックと呼ばず、レジン(合成樹脂)と呼んでいるそうです。
レジンの種類
- UVレジン液
- LEDレジン液
- エポキシレジン液(2液レジン液)
UV・LEDレジン液
クラフト用レジン液として現在多く使われているのがUVレジン液・LEDレジン液です。UV・LEDライトで照らすだけで硬化するという手軽さから幅広く使われています。弱点として、光が通らない部分は硬化しません。透明な場合は硬化しますが、着色している場合は表面しか硬化しません。
ではUVレジン液とLEDレジン液はどう違うのでしょうか。
UVレジン液
UVライト(紫外線)によって硬化します。5分程で固まります。太陽光にも紫外線が含まれるので硬化しますが長時間かかり、10分~30分と言われています。UVレジン液は、波長が365nmの光(長波長紫外線)に当たる事で活性化する物質が含まれ、硬化します。
太陽光に長時間放置すると黄色味がかった変色をします。
LEDレジン液
LEDライト(発光ダイオードを使用した照射器)によって硬化します。UVより早く1~2分で固まります。太陽光にも全ての波長が含まれるので硬化します。LEDレジン液は、波長が405nmの光(発光ダイオード)が当たる事で活性化する物質が含まれ、硬化します。UVレジン液より透明度が高いとされています。
太陽光で変色しづらいようです。
このように基本的には反応する光の波長の違いとなります。
UV・LEDレジン液は透明であまり厚みない物を作成するのに向いています。
総じてLEDレジン液の方が評判が良いですが、現在はUV-LED両対応の液・ライトが販売されていますので、対応がUVのみとなっていなければ問題ありません。上記の物は実際に私が購入したものなのでしっかり機能しているのは確認していますが、日々高機能で安いものが出ていますので探していきましょう。
1000円を切るUV-LEDライトでも評判が良いものもあります。
エポキシレジン液
現在はレジン液と書くとUV-LEDレジン液の事を指している場合が多いですが、基本的にはレジン液 = エポキシレジン液(2液レジン液)の事を指しています。
エポキシレジン液は「主剤」と「硬化剤」を混ぜる事で化学反応を起こし硬化します。レジンカボション等大きさがあるアクセサリを作る事ができ、ある程度の重量があり、着色しても中心まで固まります。
また、UV-LEDレジン液よりも透明度が高いと言われています。
着色され不透明な物、大きさのある物を作るのに向いています。
販売されている物も大容量のものが多いです。
詳しい硬化の仕組み
UV・LEDレジン液
商品によって多少変わりますが、私が購入したUV・LEDレジン液の成分は「アクリレートプレポリマー」でした。
アクリレートプレポリマーとは?
上記は正確に書くと専門用語だらけでどこまでも深堀しないといけなくなるので、短くまとめてみたものです。
- モノマー : ポリマーを構成する最小の単位。一つ。点。アクリル等。
- ポリマー : ポリ=多数の。モノマーが沢山繋がっているものがポリマー。3Dのポリゴンのポリと同じ。
- プレポリマー : ポリマーになる前のモノマーが2~20程度繋がっている状態。
- 光増感剤 : 特定の波長の光を与えると吸収して周囲にエネルギーを渡す物質
- 励起状態 : れいきじょうたい。エネルギーを吸収してモノマーが目覚める事。ゲームで言うところのゲージMAXでつよつよ状態。
アクリレートプレポリマーは、アクリル系成分(具体的に何かはメーカでないと不明)の
モノマー(鎖状や網状になる最低単位の成分)と光増感剤が含まれており
モノマーが2~20個の少数つながった状態(プレポリマー)になっているものです。
これにUV(365nm)-LED(405nm)の波長の光を当てる事によって、光増感剤が光を吸収して隣り合っているモノマーにエネルギーを渡す。
モノマーがエネルギーを持った励起状態になり、モノマー同士が繋がり始め、ポリマーとなる。
くっつく事を重合反応と呼び、重合反応の際に熱エネルギーは抜ける。
熱が抜ける事によって硬化する。
エポキシレジン液
私はまだ未使用ですが、情報がまとまり次第追記します。
参考にした記事
レジンという言葉自体の理解にはこの記事を参考にしました。
仕組みを理解するのに以下の記事を参考にしました。
omocha journal – クラフト用UVレジンの仕組みについてhttps://aitqb.mamagoto.com/Entry/65/
圧巻の考察量です。「UVレジンが紫外線で硬化する仕組み」は図解でとてもイメージしやすいです。
モノタロウ – 化学製品・高分子製品の基礎講座 – 5-10 アクリル樹脂(PMMA,アクリル繊維、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル)https://www.monotaro.com/note/readingseries/kagakukoubunshikisokouza/0510/
現場用通販サイト、モノタロウの記事です。アクリル系ポリマーの種類について書かれています。アクリレートプレポリマーの具体的な物質(モノマー)部分がなんというアクリル成分なのかは不明なままですが、書かれているポリアクリル酸エステルが近いかもしれません。
共栄社科学株式会社 – ウレタンアクリレートの技術紹介https://www.kyoeisha.co.jp/product/kinou/urethaneacrylateTechnology.php
物質に新たな機能や付加価値を与える「助剤」を作っている会社の記事です。
アクリレートを「CH2=CH-COO」-R (化合式の書き方はわからない)と明示されてるので、上記のポリアクリル酸エステルで合っているのかもしれません。あくまで参考程度に。
まとめ
レジン液について調べた事のまとめでした。
実際の所UV-LEDであれば液とライトがあれば特に気にする話でもありませんが、知っておくと硬化不良の際や、自分の作りたい物に挑戦する際お役に立つ事と思います。